家庭裁判所調査官のためのペアトレ

先日、金沢家庭裁判所において、家庭裁判所調査官を対象とした研修会を担当しました。発達障害が疑われる少年が多いため、ペアレント・トレーニングについて話をして欲しいというご要望でした。実際に調査官がペアトレをおこなうわけではなく、数回の面接で保護者に関わる中で何か行動分析らしい助言ができるようにはどのような内容を用意したらよいのか、かなり悩みました。最終的には、非行と発達障害、ペアトレの概要、ペアトレの基盤となる学習理論(強化、機能分析)、といった内容についてお話してきました。ある調査官の方からは、「罰する」という枠組みの中で、プラスの関わりを持とうとするのがいかに難しいことであるか、教わりました。同じ事柄でもプラスの面からもマイナスの面からも見ることができるため、できるだけプラスの面に注目できるといいですね、とお話しましたが、現場では難しいだろうなあと感じました。そして私はもっと現場を知ることが必要だと改めて自覚しました。

今回の研修会は、私が院生だった十数年前に知り合った調査官の方からのご依頼でした。十数年ぶりにお会いできて、非常に懐かしく、人とのつながりは時間が経っても変わらないものだと嬉しく思いました。お互いに母親となり、育児と仕事を抱える立場となっていることも 、月日の流れを感じさせました。帰り際に「今日うちに帰ったら、さっそく子どもを褒めてみます!」とおっしゃってくださったことが嬉しかったです。