北陸心理学会第47回大会で発表しました

先週末、金沢大学サテライトプラザで開催された北陸心理学会第47回大会で、昨年度山口瞳さんがおこなった卒業論文の研究結果について、口頭発表をおこないました。この研究では、学習性無力感実験のパラダイムに基づき計算問題を用いた集団実験をおこない、数学への苦手意識が高い人は学習性無力感に陥りやすいのではないか検討をおこないました。結果としては、学習性無力感パラダイムに基づいた統制不可能性よりも、苦手意識の強さの方がより遂行成績の低下に影響を与えていることが分かりました。苦手意識の強い人ははじめから無力感状態であった、ともいえます。ディスカッションでは、遂行成績に影響を与えているのは苦手意識と計算能力のどちらであるのか分かるような仕組みで実験をおこなった方がよいのではないか、という貴重なサジェスチョンをいただくことができました。同じ入試を突破した大学生という意味で能力の差はないと思い込んでいましたが、確かにその通りだと思いました。一人で考えていては気がつかなかった視点でした。学会発表は毎年継続してやらないといけないと改めて実感しました。この学会で示唆を与えてくれるのはいつも心理学研究室の先輩方や指導を受けた先生です。偉大な先輩方に感謝です。

荒木友希子・山口瞳 2012 数学への苦手意識が計算問題の遂行成績に与える影響 北陸心理学会第47回大会発表論文集、58-59.

(金沢大学サテライトプラザ、2012,10,27)